仮面浪人経験者が「ミスター仮面浪人~コンビニも塾もない田舎少年の独学で慶応奮闘記~」を読んだ感想
はじめに
こんにちは!くらうどです。
今回は「ミスター仮面浪人~コンビニも塾もない田舎少年の独学で慶応合格奮闘記~」を紹介しつつ感想を述べていきたいと思います。
なぜこの本を読む気になったかというと私自身過去に仮面浪人を経験していたからなんですね。今更ですけどほかの経験者の具体的な過程を目にすることがなかったので気になりました。
まあそれよりも大きな理由として単純にKindle版が無料で読めたからなんです。まあ表紙を見てもらったらわかると思うんですが、とってつけたような金髪とサブタイトルの長さがうさんくさすぎて正直カネを落とす気にはならなかったです・・・
*これはあくまで個人的、偏見的な第一印象ですので感じ方はひとそれぞれであると思われます
著者について
著者名 華山宥
学歴 山口県立豊浦高校→福岡大学経済学部経済学科→慶應義塾大学環境情報学部
現在もTwitter等で受験生の相談に乗ったり活動をされているようです
概要
それではこの本の中身を紹介していきます。
目次は全三章に分けられています。
第一章 中学生時代
第二章 高校生時代
第三章 仮面浪人時代
Extra 勉強法
それぞれの章で著者が経験したことがかかれている感じですね
1章2章では中学時代、高校時代ともに受験に対してどのような印象を持って過ごしていたのか、いかに自身が田舎育ちで恵まれた環境にいなかったか、模試の成績はどうだったか等が丁寧に記されております
そして3章でメインとなります仮面浪人時代どういう場所で勉強したか、~月にはどんな出来事があったか、そしてその時々でどのような心情であったかなどが書かれています
Extraとして最後に使った参考書などが教科ごとに書かれています。著者が受験に用いた科目は国語、数学、世界史、英語の4教科であるためこの4教科についてのみ解説されています。
感想
はじめにでも書きましたがこの本の表紙胡散臭いというのが第一印象な訳ですが、これってベストセラーになり映画化までされた「ビリギャル」にめちゃくちゃ似ているなと思い調べてみました。
すると両方KADOKAWAから出版されており、さらに出版年も同じ2015年!!さらにさらに本のモデルとなった華山宥さん、小林さやかさんは共にSFCに合格されているんです!!
SFCは人生逆転された方々が多くいらっしゃるのかもしれません
さて、サブタイトルにもあります『田舎育ち』というのはあくまで仮面浪人時代を田舎で過ごしたという訳ではなく、高校生まで育った地元が田舎であるということのようです。
ターゲットを仮面浪人に絞るようなタイトルなのになぜか自分の生い立ちや仮面浪人とは無関係な地元の環境について書いている訳です。
この本を手にする人ってやはり仮面浪人に関係する人が多いと思うんです。ですから田舎出身アピールなどは不要であり、どうしても書きたいと言うことであるなら仮面浪人というワードをタイトルから外して田舎出身が遠回りしつつも慶応に入った話ということでターゲット層を広げた方がいいのでは?とおもいました。
確かにそれでは「ビリギャル」等のインパクトに劣りますから仮面浪人を前面に押し出したんでしょうけどそれなら田舎アピールや中高時代のエピソードを極力削り仮面浪人に注力するべきだと考えます。タイトルを見るに田舎の環境で仮面浪人したと思わせて地元がこうでしたは正直だまされたと思いましたしいろいろ手を広げすぎです。
タイトルだけで胃もたれしますしライトノベルじゃないんですから・・・
”ミスター仮面浪人”をタイトルに添えているわけですからそこはそれ一本で勝負しろよとそういうわけです。
長々と本文とは関係ないところで批評めいたことを書きましたがこの本、仮面浪人経験者の目線でみて共感できるなや仮面浪人を実際に行う際に役に立つ情報がたくさん入っているな
と感じる部分が多く存在します。以下に一部引用します
4月に一緒にいた友達で、今僕の近くにいてくれる人はほとんどいない。一度は仲良くなれたはずなのに、いつの間にか離れていった。僕は必死に自分を保ちながら自分の勉強を続けた。
これ仮面浪人あるあるです!!!
わかりみが深い・・・・・
大学入学初期って周りもとにかく友達を作ろうとするものですから浅い交友関係がどんどん構築されるんです。そして仮面浪人は基本プライベートを他人と共有したりする時間をとらずに孤独に受験勉強に励むわけですから、交友関係を深めることができないんですよね。気づいた頃には自分の周りに誰も残ってはいません。
そして誰もいなくなった・・・・
ほかにも様々なあるあるが登場します。おもわず「わかる~」なんてつぶやきながらKindleのマーカーで色をつけてました(笑)
役に立つ情報も以下に一部引用します
もっと勉強に費やす時間をこれでもかというくらいに増やしてやろう。
そう思った僕は中央図書館から医学図書館で勉強するようになった。
医学図書館は中央図書館と違って休みの日もやっている。それも朝8時50分から夜の22時までだ。
勉強する際のマインド、そしてそれを具体的にどう実行するのかがここに詰まっているなと感じました。
仮面浪人の強みは大学図書館を活用しまくれることなんです。そして大学内の図書館でもいろいろと環境が違う。それをどうやって使い分け最大限活用するかはとても重要であると思われます。
朝早くから空いている図書館ならそこに生活リズムを合わせ勉強時間を強制的に増やせたり、医学図書館には多くの医大生が集中して勉強しているという環境が構築されてその環境で勉強できたりするわけです。
そして「勉強時間をこれでもかというくらいに増やしてやろう。」という考えは限られた勉強時間しか存在しない仮面浪人生にとって必要不可欠ではないかなと思いました。
最後に
いろいろ書いてきましたがあくまで個人的に気になった部分を取り上げました。読む人によって共感する部分が違ったり、タイトルは別に胃もたれしないなんて人もいると思います。むしろこの記事の方が胃もたれするわ
それからこの本を読んで仮面浪人について新たに考えたことなどありますが今回は割愛して、機会があれば別記事にしてまとめたいと思います。
とにもかくにもKindle版では89円で読めるので気軽に読んでみてはいかがでしょうか。中高時代の部分を飛ばして読めば時間もそんなにかからないと思います